センター試験廃止とか、教育再生実行会議のうんぬんかんぬんについて
親知らずを抜いた跡が相変わらず痛い。寝られない。明日インターン最終日なのに…
教育制度について。
政府の教育再生実行会議（座長＝鎌田薫・早稲田大学総長）がまとめた大学入試改革の素案の内容がわかった。（１）大学入試センター試験を衣替えし、成績は１点刻みでなく、何段階かに分けたランク表示とする（２）大学側はこれで学力をみた後は、面接などで人物本位の選抜を行う（３）これとは別に、高校２年の夏に実施する基礎的な内容の学力テストを創設する――という内容だ。（朝日新聞１０月３日）
というニュースを見た。最近facebookでもこれに対する批判的な意見をよく見るし、周りでもこれに対して「とりあえず下村は大臣やめろ」とか、「早稲田の総長はまず自分の大学の入試をなんとかしろ」とか、「とりあえず俺を東大に入れろ」とか、批判的な意見をいろいろと耳にする。
これ、実際のところどうなんだろうか。大学入試を経験して「あんな茶番は他にない」と確信した自分からすれば、入試制度がどうなろうが一向に構わない。が、センター試験と二次試験での一発勝負をやめるなどというのは少なくともそれなりに合理的で筋が通ったことのようには思えるのだが・・・。
そもそも、これについてなにか書いている人はちゃんとこの「教育再生実行会議」について知って書いているのだろうか…と思い、少しだけ調べてみた。根拠法は…よくわからなかったが、恐らく国家行政組織法の３条でも８条でもなくて、総理大臣の私的な懇談会のようである（違ったら誰か後学のために教えてほしい）
だとすれば、この懇談会が出した最終提言といえどもそんなに重みを持たないと思う。安倍さんが退陣したら消えるだろう。確実に。それほどに政策形成における総理大臣個人の意見や発言は重いと推測する。だって法案を作成するのは官僚だし、官僚の上司は総理大臣だから。で、ここにその会議のメンバーとか、議事要旨、提言がいろいろ載っているが、これをざっと見てみて思ったのはこんなことである。
・別に大学入試を変えることだけがこの会議の役割ではない
・だが総理大臣に入試改革の意志があるから仕方なく議論している雰囲気もある
・東大からも２人教員がメンバーになっているが、どうやら東大はあまり乗り気ではなさそうな気がする
・大学入試制度改革に関する提言はまだ出ていない
そもそも大学入制度改革に関しては議事要旨以外何も結論は出ていないのだが（最終提言はまだ出てない）、マスコミのニュースが先行しているようで、それに対していろいろと周囲は反応しているということだ。
それにしてもこの座長をやっている、早稲田大学総長の鎌田さんという人は大変だろうな。教育って大した知識がなくても、自分の経験があるからみんな好き放題言うし、これが正しい！とかいう答えがあるわけでもないし、ニュースでいちいち名前が出るから批判されまくりだし。まさに外れくじ…
ただこの懇談会、上に書いたように文科省が設置した審議会でもないし、安倍さんがいなくなったら提言もあまり効果を持たなくなりそうだ。まぁ今回はどうやら長期政権になりそうな雰囲気だし、今後どうなるかはわからないが。
以下は個人的意見。
「政治家は変革のために存在し、変革がなければ政治に意味はない。だからこそ政治家はどんな時でも改革、改革と叫んでいるのだ」みたいなことが、昔読んだ世界史の参考書に書いてあって、妙に関心したのを覚えている。
確かに変革がなければいけないのは理解できる。しかし、である。教育制度でも何でも、そんなにコロコロ変えてどうするんだろうか。共通一次をやってみて１０年でやめて、それからセンター試験をやってみてまた１０年でやめる。今の高２からは理科と数学のカリキュラムも大幅改訂らしいし。（浪人生どんまい）
常に最善を追求するのは悪いことではないと思うが、伝統というのもそれだけで価値があるのではないか。フランスのバカロレアとか、アメリカのSAT試験、イギリスのAレベル試験なんかがそれなりに尊重されるのも、伝統があるからではないだろうか。文科省がそんなに変革！変革！って言って頑張っても、ねえ。情熱がありすぎるというのも困ったものだと思うのは私だけだろうか。
余談：少なくとも文科省は制度とカリキュラムをコロコロ変え過ぎでしょ。政策の度に批判があるというも十分に理解できるけれども、さすがにこれほどまでに変えまくっていると、教育産業が儲かるためにやっていると言われても仕方ないのでは？無能でやる気があるというのは一番不要なタイプらしいよ。
改めてここまで読んでみると、まったく筋の通らない文章になってしまった。安倍さん、これが現状の大学入試制度の下で教育を受けてきた大学生の実力です。なんとかしてください。
