日々、淡々と

毎日淡々と生きていきたい

2015関東スーパーマーチング

朝6時半から並んで観てきた関東スーパーマーチング。観てる時間より並んで凍えていた時間のほうが長いという意味不明さ。ということで、相次ぐ期末試験で神経をやられ、前日の夜遅くに映画館でスターウォーズを見たせいでほぼ寝る時間もなく向かったためか、やや厳しい目線で見る時間が多くなってしまった気がする。

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(写真でかっ)

 

どうせ感想なんか書いたところでどうしようもないんだが、これ明日には全部忘れちゃってるだろうから自分用の備忘として残す。

 

小学校2つ(小坪小学、中田小学)

感想は特になし。先生方がすごくいろいろ努力して指導されてるんだろうなとは思ったが、純粋に音楽として楽しめるレベルに達しているはずもなく、残念無念また明日感しかない。あと小坪小学校はずいぶんと吹き鳴らしている一方で、中田小学校は吹きすぎずに音の質を重視していて、明確に指導方針が分かれていたのは対照的だった。今日一日を通じて思ったのは、ほんと、鳴らせばいいってもんじゃないんだよということ。特にトランペット。

 

綾北 Mercury Winds with R.J.H.S

神奈川県大会で見た時にあまりに残念だったので、潮田じゃなくて綾北が関東スーパーマーチングに出るのは少し驚いたけど、さすがあの時から数ヶ月、進化してた。火山が噴火してるみたいなやつ、マルハンとかのパチンコ屋にありそう。パチンコマーチング。そんなことを考えてたら終わってた。しかし関東1位というのはさすがに伊達じゃない。あの少人数で、陵北伝統の激しく動いて表現するマーチングを致命傷となるようなミスや音のズレとかなしで最後までやり切ったのはやはり称賛に値すると思う。それが一般的な目線で見てショーと呼べるほどのレベルに達しているとは思わないが、他を含めたマーチングバンドの枠の中で相対的に見れば確かにインパクトがあった。

 

White Galaxy

やっとここまできてまともに聞ける団体が来たという印象。しかしここ含めて同じ曲やってる団体の多かったこと多かったこと。ここも演奏はよかったけどやはりマーチングバンドとして見ると規模に欠ける感は否めなかった。

 

千葉敬愛

千葉県大会で見て以来の千葉敬愛高校。千葉県大会で見た時はこんなにひどい団体が関東で上位なんてびっくら昆布という感じだったが。そのまさか。

高校中編成に共通のことだが、ほんと、吹き鳴らせばいいっていうもんじゃないと思うのだが。錆びた水道栓を絞る音のトランペットアホみたいにリムショット連発してブラスの響きの鑑賞を中断するスネア際限なく鳴らし続ける大太鼓(ピット)とシンバル。ブラスの人数が少ないのをごまかすためにピットで水増しするのはM協のバンドでどこも共通だしある程度は仕方ないと思うが、限度があるで限度が。ゲッソリしたわ。

あと陵北と千葉敬愛、広く取ると小道具を多用する鎌倉女子とか京華学園とか埼玉栄みたいな、いわゆる「三文芝居マーチング」(便宜上勝手に名付けた)は正直なところ個人的な好みではない。まあ個人的好みはどうでもいいとしても、どうしても音楽で勝負してない感が見えてしまう。結局マーチングバンドって、原点は音楽なんだから、まずそこだろう!というツッコミを感じる機会が多かった。

あと、Yokohama Inspiresとか今回のスーパーマーチングには出てなかったYokohama Robins とか、千葉敬愛、陵北、埼玉栄なんかはサイードオリエンタリズム的なステレオタイプ思考が目に余るところも若干あった。マーチングなんてどうせ日本ではマイナーもマイナー、関係者と保護者と出演者のじいちゃんばあちゃん以外誰も見に来てないから何の問題も起こってないけど、もしこれがもっとメジャーな競技だったらマイノリティやエスニシティとか多文化主義とかそういう問題に関して抗議を受けても仕方ないと思われる表現や衣装とかが少しあったように思う。DCIを頂点とするザ・アメリカ的な価値観と見た目をそのまんま何も考えずに輸入して、何も考えずに音量、音量、音量!!の方針だけで吹いてる結果としての惨状か。この問題も高校や一般でグランプリレベルの団体ではさすがにあまりないが、中途半端に上位で全国大会に出ているくらいのレベルの団体にありがちなように思う。要するにわかりやすい表現をしようとしてやり過ぎてるんだよな。

 

鎌倉女子

ここも神奈川県大会以来。棺桶マーチング。3年生よ、これでよかったのか。人生最後のマーチングになる人もいたろうに、棺桶マーチングで本当によかったのか。選曲も表現も平々凡々、演奏技術も特筆すべき点なし。高校生は人数でごまかす以外にまともな解決策はなさそう。肺活量や演奏技術を考慮すると。

 

関東学院

選曲がキャッチーというか、少なくともほとんどの人が「聞いたことある曲」で構成されていたのは非常によかった。マーチング未経験者である大学の友人と二人で見に来ていたので、その点関東学院はまともに「ショー」になっていたのでは。「わかる人にはわかる」だと内輪受けしかないもんな。申し訳程度しかない木管もフル活用されていて、サックスのソロも2回あったし(ソロ自体は小学生レベル)、いろいろ工夫や試行錯誤があっての今の形態なんだろうな、と思わせるものがあってよかった。

 

Yokohama Inspires

インドがテーマということだったが、衣装とダンス以外でインドを感じられる点はあまりなく、選曲もほとんど関係ない曲だったような。それにしても人数が多くて金管の演奏もそれなりにうまいのでまともに見られる。

 

下野庭小学校

印象なし。ほんとため息が出る。

 

日本橋中学

歩き方、マークタイムをしっかり練習してる印象は、いつも通り。日本橋の今年のマーチングを見るのは初めてで、5月の銀座柳まつりでパレードを見て以来。拍子の取りにくい曲で左右の足が逆になっている人もおらず、少人数のおかげで先生の指導が行き届いているような印象。演奏も、他の小編成団体にありがちな音量がデカければそれでいいという吹き方ではなくて、傷を減らす方針か。基礎を固めて、あまり発展的なことはやらずに減点のない演奏演技を目指しているような。最近の上甲子園みたいな。中学生だし、それが妥当だと思う。みんながみんな潮田や大曲みたいなレベルで吹けるわけじゃない。

 

京華学園

ここは初見。いや化粧濃いな、宝塚かよ。演奏もガッカリ、表現も小道具、小道具。他の団体にも共通のことながら、化粧、髪型、衣装、小道具に金と時間をそんなにかけることができるんだったら、その資源を活かしてまず音楽の技術と表現力を磨いたらいいのに。順番を勘違いしているところのマーチングはひどい。大人数になるとそれでもひとりひとりの音なんて全然聞こえないからごまかされてしまってなんとなく聞けるレベルになってしまうけれど、小編成・中編成でまともに練習してない団体の演奏は聞くに堪えない。

 

埼玉栄

今年のグランプリ団体。さすが。演奏を磨いて、そこから表現を工夫していく、という当然の流れを踏んで練習してきたのが伝わってきた。にしても上手な子が多かったんだろうね、今年は。演奏者もガードも。コンテとかが良くてグランプリを取れたというよりは、偶然レベルの高い生徒が集まったから取れたグランプリという印象。来年以降が正念場か。

www.youtube.com

 

湘南台

ドヴォルザーーーーーーク!千葉県大会神奈川県大会以来3回目。全国大会での演奏はUstreamで見てたのでそれ入れると4回。今年グランプリを取ると思ってたんだがな。調整の失敗だったかな。今回の演奏に関しては、大編成団体はやっぱりそれなりに芸術としての鑑賞に耐えるなと改めて実感。それ以上でもそれ以下でもない。

 

The Yokohama Scouts

ロシアのウンタラカンタラだっけ。よく覚えていない。印象も残らず。

 

創価ルネサンスバンガード

今回の出場団体を圧巻度で区別すると、

創価>越えられない壁>一般大編成>高校大編成>一般小編成>その他全部(小中高ぜんぶ同レベル)

やっぱり宗教はかけてる金が違う。チューバの音が違ったな。ゲップの音みたいな爆音出してた他の高校レベルとは音の質が違って澄んでいて、やっぱ楽器には金かけるもんだなと。公明党も安倍政権の与党で信者がアホみたいに勧誘しまくってウジャウジャ票入れてるから盤石だし、もう金が儲かって仕方ないんだろうな。俺にくれ。

 

総括

3点感じた。

<音がデカければそれでいい、というわけじゃない>

金管は吹き鳴らしていても音が汚すぎるとそれだけで萎えるし、バランスを欠いたパーカッションの音も全てをぶち壊しにしていた

<編成に哲学なし>

金管だけでいくのか、それもG管なのかB管なのかとか、いろいろあるだろうけど、それを、「何を、どう表現したいのか」ということを考えて演繹的にバンドに活かしている団体はほぼ皆無か。トランペットの数をやたら増やすとか、申し訳程度に木管を入れるとか、視覚的な効果狙いと思われる和太鼓とか、そういう工夫が見られた程度。DCIありきで、それに近づきたい(レベル的に絶対に不可能なのに)…というのはプラトンイデア論に近いものを感じるけど、その理想に、団体独特の制約とか日本独特の事情を重ね合わせて、自分たちのオリジナルを表現してやろう!という意気込みを感じる団体はなかった。どうせみんな暇つぶし程度にやってるんだろうなという感じ。だったらやめちゃえばいいのに。

オリエンタリズム

これは上述。まともな社会感覚を失ってはいけない。