日々、淡々と

毎日淡々と生きていきたい

2014年のマーチング全国大会の映像を見た

マーチングをずーーーーっと見ていて、ああ、まだまだ道は遠いなと思う。日本のマーチングはあまりに発展途上だなと思う。

普及やレベルの向上には、いろいろと障壁があるように感じられた。

 

(1) もっと情報公開しろよ!!

先週くらいに一斉にクレームが入ったみたいで、第27回全日本マーチングコンテストの映像はほぼ全部youtubeから姿を消した。特にアカウント停止にまで至ったケースもあったみたいで、かなりの数の映像が消えていた。

よくよく見ていると過去の大会の映像はほとんど消されていないから、恐らくDVDの発売か何かのタイミングで日本パルスさんか誰か著作権者がクレームを出したらしい。

ま、これは当然仕方ないことではあるんだけど、マーチングが日本の中で人気が出るようにするにはもっともっとオープンになっていくしかないと思う。どうだろうか。例えば、①マーチング協会が限定的ながら審査結果の点数を今年度からは公開し始めたのとか、②日本テレビの『笑ってこらえて』で高校のマーチングを特集したりとか、③sky-Aで映像を流したりとか。こういうことを少しずつ積み上げていくしか無いと思う。youtubeからの映像削除は、その流れに逆行するというか、少なくとも残念。もちろんyoutubeに公開されてしまえば撮影も編集もタダ働きになってしまうというのはわかるけれども、他の映像での音楽使用の例みたいにほぼ自動で広告を貼って著作権者に利益を与える形とかで対応はできないのだろうか。

あと、M協の大会に至っては大会前はもちろんのこと、大会後になってもほとんどyoutubeとかに映像が上がることがない。CSで全国放送されている吹連の大会との差はあるにしても、これでは実態として関係者が関係者の中で楽しんでいるだけ、つまるところオナニーしているだけ。関係者は全国に出て賞をもらってドヤ顔をする、でもその意味するところは他人には全く理解されない。これでいいのか。

もっともっと情報を外に出していかないと本当にジリ貧だと思う。映像を公開するでもいいし、ブログやtwitterで中の人のネタを見せるでもいいから、もっとオープンにすればいいのにと思う。そもそも国民の数が減ってる中で、ただでさえほとんどいないマーチング人口は減るばっかり。そのうち大会も参加者が減ってなくなるんだろうな。

 

(2) オナニーに走るM協団体

あと正直なところ、審査基準も少し改善の余地があるんじゃないかと思うことがたまにある。オリンピック競技もそうだけど、いわゆる素人が見てすごい演奏・演技が評価されないで、「なんでこれが?」みたいなのばっかりが上位になるとそりゃ当然人気が出るはずがない。柔道競技が苦渋の決断で青色柔道着を導入したのは、素人から見て勝負をわかりやすくするためだった。もしマーチングがこの努力を怠るなら、本当に、全くもって、関係者のマスターベーションでしかない。関係者が「私全国大会出たけど!(ドヤ顔)」て地元の友達に自慢するためだけのレベルの低い大会である現状をはっきり認識すべきだと思う。

M協のマーチングは吹連のより演奏時間が長い(吹連は基本6分で、M協だと高校が8分で一般が10分だったかな)けど、この長い演奏時間を退屈しないで最初から最後まで見ていられるくらい芸術性にすぐれた団体(もちろんプレイヤーの親と祖父母と友達を除いて)は全国大会ですらほとんどない、という現状に危機感を抱かない人たちばかりだからマーチングは人気が出ないんだ。

2013年のDCIで、Blue Devilsが技術点では上回りながらCarolina Clownに1位を譲ったのは、全体の構成として後者の方が感動させる、「芸術」として優れていたからじゃないんか。こうやって、全体として人を感動させるような芸術がまともに評価される審査がないと発展は望めないんじゃないかなと思った。芸術の原点は人を感動させることであって、その根本を捨てて細かなどうでもいい事にばかりこだわっているのは芸術ではなくてオナニーだ。堂本剛氏のファッションみたいなもんだ(古い)。

M協の場合は①大編成・中編成・小編成に分かれていて大編成バンドの総数があまりに少ないこと、②審査項目がかなり細分化されていること、の2つの制限があるから大変だろうとは思うけれども、それでも、「バンドの規模が大きくて、各パートが細かなフレーズをきちんと演奏できている」というだけの理由でグランプリが取れるような現状では経験者以外の関心は一切惹きつけられないと思う。今年度の天理教校学園のも、昨年度の湘南台高校のも(横文字のバンド名はさすがにキモいから書くのをやめた。こういう寒い文化も関係者以外を遠ざけていると思うんだが。ばいおれっといんぱるす…オウフ、ほわいとしゅーちんぐすたあ…オウフ。言うのも恥ずかしい)。「わかる人にはわかる」を貫いていても、裸の王様になるだけで未来はないのではないか。


2015 天理教校学園高等学校マーチングバンド Violet Impulse 定期演奏会 ...

 

(3) 吹連のマーチングも独特過ぎる発展

余談ながら、吹連のマーチングは、特に高校以上の部で言えることだけれども、ちょっとレベルがインフレしてきている気がする。2014年のを見ても、京都橘とか市立柏(支部大会では習志野を上回って1位)のような団体があれだけのレベルの演奏をして銀賞に終わってしまった。もう金賞と銀賞の差がほとんど紙一重というか、ほとんど審査員の好みの問題(つまるところ運の問題)になってきてる感がある。そしてM協に比べても素人を無視した審査。


市立柏 2014マーチングコンテスト - YouTube


京都橘 2014マーチングコンテスト - YouTube

でも、まあこれはこれでいいんじゃないかという気もする。「制限の中に巨匠は生まれる」って言うし。少なくとも「コンサートバンドが歩いてみよう」という趣旨で昔からずっと首尾一貫した審査が為されているのは評価できるし、それがあったからこそ今のように上位でレベルがインフレするほどのバンドがいくつも出てきていると思う。演技よりも演奏を極端に重視するという制限があったからこそ、阪急少年音楽隊(今の早稲田摂陵)とか、東邦とか、京都橘、精華女子なんかのすばらしく個性に優れたバンドが生まれてきたと思うから。

あれ、なんか趣旨がおかしくなったな…。まあいいや。

 

 

 

ということで、何が言いたいかというと、もっとマーチングの映像を出してほしい!

そして大学生にはDVDはちょっとあまりに高すぎるから、せめて演奏団体ごとのダウンロード販売くらいはしてほしい!!!

(それにしてもCDやDVD、ブルーレイなんてあと10年もすれば消える媒体なのが目に見えているのになんでダウンロード販売とかストリーミング配信をしないのかさっぱりわからん。)