日々、淡々と

毎日淡々と生きていきたい

公平中立の立場を考える

人は自らが所属している共同体の行動を正当化しやすい傾向にあるのは、最近のいわゆるネット右翼の人たちのことを考えるまでもなく理解できる。

 

このようなニュースがあった。

不法残留のため成田空港から強制送還される途中だったガーナ人男性=当時(45)=が先月下旬、離陸前の航空機内で意識不明になり、搬送先の病院で死亡した。男性が暴れたため、取り押さえるために、タオルと手錠が使われたという。東京入国管理局側の対応や強制送還の決定に、問題はなかったのか。(篠ケ瀬祐司)

 (東京新聞2010年4月10日)(全文はこちらから)

 既に3年以上前のニュースなのに、恥ずかしながら知らなかった。あまり大きく取り上げられた問題でもなかったのかもしれない。

 

移民の問題はいろいろあるが、それはまあ置いておくとして、入国管理局でこのような実態があるということを多くの人は知っているのだろうか。この記事から一例を引用すると、

ある地方の入国管理局元幹部は「今回のことは全く知らないが。経験上、制圧の際に入管職員の力の加減が強くなり、問題化したケースがあったのは事実だ」と明かす。

市民団体などが毎年発刊する「人権年鑑」には、04年11月に、ベトナム女性=当時(29)=が、抵抗できないよう入管職員によって毛布で「す巻き」にされて、ベトナムに送還された事例や、何らかの薬を投与され、意識を失った状態で送還されたとの証言も紹介されている。 

 とある。

 

例えば、

・領空侵犯の恐れの有る国籍不明機へのスクランブル発進の問題

・スパイによる情報収集の問題

・挑発的な軍事演習

・他国の歴史や文化に対する政治家の侮辱的、挑発的発言の問題

こういうことを聞いた時に、日本のほとんどの人が思い浮かべるのは自分の国ではなく、日本以外の国が、日本に対して見せるネガティブな面なのではないか。

もちろんその中には問題とすべきものが多く含まれていることは間違いないし、私も憤ることがよくある。だが、相手の立場に立って考えてみれば、同じようなことを日本もやっているのではないだろうか。自国のマスコミ報道では大きく取り上げられないところで、どこの国だって同じようなことをしているのではないか、ということである。

 

例えばスノーデン氏の事件があった時、アメリカが中国やイランに対してサイバー攻撃を積極的に仕掛けていることが問題になった。このようなマップもある。

 

 このマップではサイバーアタックを図で示しており、どこからの攻撃かわからないものは垂直な線で表しているらしい。よく見るとアメリカからの攻撃は出てないな…(´・_・`)

まあいいや。続けよう。

 

日本では、中国が日本やアメリカに対して行ってくるサイバー攻撃について危機感を煽るような報道はよく目にするが、アメリカだって同じことをやっているではないか。日本がやっているかは知らないけれども。

 

同じく情報漏えい対策が最近よく話題になっているが、中国やロシアが日本の情報を様々な手段で集めていることに対して危機感を煽るような報道はよく目にするが、アメリカだって日本の情報を、それこそ中国やロシアとは比較にならないくらいに集めていることはほぼ間違いないのではないか(ドイツでは総理大臣の携帯電話まで盗聴していたのだから)。それに恐らく日本だって、諸外国の情報を様々な手段を使って集めているだろう。

 

うーん、結局のところ言いたいことがまとまらなかったな…。

何が言いたかったかというとつまり、少し視点を変えてみると自分が身勝手な論理で物事を考えているのに気づくこともあるのではないか、と。実際に、バイアスのかからない意見や観点などは存在しないと思う。本当に客観的な立場、本当に公平で中立の立場などは恐らくないだろうけれども、もしも本当に皆が幸せに暮らせる世界を欲するならば、まるで自分は聖人であるかのように振る舞い、他人ばかり批判していては何も解決しないのではないか。というようなことをふと思った。

 

人類皆兄弟(アフリカから人類が進化して世界に分布していったとすれば、みんな血がつながってるはず)なのに、なんでもっと仲良くできないものなのかとよく思うので、書いてみた。はい、それだけです。